新しい年度の始まりに(ご挨拶)

校 長  大江 健規

 

  見事に色づいた桜の木に迎えられて、真新しい制服に身を包んだ新入生が、少し緊張の面持ちで初登校、そして、第42回入学式を挙行いたしました。

その後、新入生174名に2・3年生が加わり始業式を行い、全校生徒547名で、令和6年度が始まりました。

 

 さて、昨今の教育を取り巻く状況として、学習指導要領には令和の日本型教育として、「個別最適な学び」と「協動的な学び」の一体的な充実が記され、そして、教育再生実行会議からは、ポストコロナ期における新たな学びの在り方として、「ウェルビーイング」や「ニューノーマル」というような言葉を用いた提言が示されました。

 本市においても、人権教育としてのデジタルシティズンシップ教育を土台とし、「吹田市ICT教育グランドデザイン」が示され、SUNネット端末を活用した教育活動の推進が提唱されたほか、知識の表層的理解にとどまらず、到達度を重視し、活きてつかえる学力の獲得を目指した「能力ベイス」の授業づくりの推進などの様々な教育施策が示されています。

 本校におきましても、吹田市教育振興計画に基づき、子どもたちの「学び向かう力、人間性」「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力」等の資質・能力を育成し、子どもたちが生涯を通じて主体的に学び続ける力や心身の健康、規範意識や社会性を獲得することを目指し、学校教育目標を掲げております。

 しかしながら、学校現場は新しい時代へ対応するための大きな変化への過渡期を迎えており、いささか情報過多になっている節もあることから、本校の教育活動についても、これまでのふりかえりを行ったうえで、子どもたちや地域の特性、教職員の働き方改革も含め分析をし、見直し・統合等を行い、総合的に整理する時期が到来していると実感しています。

 併せて、今年度は新たな吹田市教育振興計画の策定の年度でもあることから、本校といたしましても、学校教育目標の実現に向け、教育活動全体を視野に入れた「佐井寺中学校グランドデザイン」の策定を検討しているところです。

 

 結びに、公立学校の使命と責任は、「一人残らず子どもの学ぶ権利を保障し、その学びを高めること」そして「他者と共に生きる準備をする場」であるとの認識のもと、本校の教育活動は、地域で暮らし、佐井寺中学校に登校してくるすべての子どもたちを、ご家庭から「お預かりする」だけでなく「お引き受けする」ことから始まると考えています。

 「引き受ける」とは、我々教職員の知識・技能や専門性をもって、子どもたちの成長に、積極的に関わっていくという決意です。

 今年度も、本校教職員一同、本校の教育課程をもって、佐井寺中学校の子どもたちの「学び」と「育ち」をお引き受けいたします。

 しかしながら、教育は学校だけでできることではありません。学校の視点、家族の視点、地域の見守りがあって、子どもたちの成長を総合的に支えていくことが可能になります。それぞれの視点で確かめ合い、話し合いながら進んで参りたいと思っておりますので、引き続き、本校の教育活動にご理解とご協力をお願いいたします。